高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(86)

第8部・笑顔ホクホク(6)
給食(上) アイデア満載の贈り物

 高岡市内の保育園では月一回の「高岡コロッケ給食」が人気だ。材料には高岡特産のホウレンソウや園児が育てたジャガイモなどが使われており、各保育園では揚げ立ての味を提供する。

●「自家製」の材料で
 コロッケ給食は六月二十七日から始まり、第一弾は上関産のホウレンソウを使った「ポパイコロッケ」が保育園四十八カ所で出された。このうち伏木古府保育園では、のぼりやのれんで部屋を飾り、パーティー形式で給食のスタートを祝った。材料のジャガイモは園児が保育園の庭で育てた「自家製」である。保育士の久保明美さんは「毎日、成長の様子を見守ってきただけに、子どもたちは香りまで味わって食べていたようです」と振り返る。
 コロッケ給食の献立を考えるのは、高岡市児童育成課の草開和子さん、本田久美さん、宮崎仁美さんの三人である。材料と栄養価、作り方を記した給食日誌を配布し、各保育園の調理員が料理する。グリーンピースを目に見立て、ケチャップで口を描いた「スマイルコロッケ」や、ボール型のコロッケなど、子どもたちへの愛情あふれるものばかりだ。
 高岡コロッケの浸透で、十一月の保育所給食料理コンクールがコロッケをテーマに行われることになった。各保育園の調理員の代表が六ブロックに分かれてアイデアを競う。優秀作は給食に採用されるため、地域色豊かなコロッケがますます増えることになりそうだ。
 コロッケ給食は高岡市の若手職員が運営する「カラーたかおか」のホームページでも紹介されている。カラーたかおかのメンバー、宮崎さんが「高岡の未来を担う子どもたちへのプレゼント」と題して記事を執筆。大量の野菜の皮をむく「球根皮むき機」やゆでる「回転釜」など、一度に百食以上作る給食の舞台裏も紹介している。

コロッケ給食を楽しむ園児=6月27日、高岡市の伏木古府保育園

●思い出に残したい
 宮崎さんは給食が大好きで栄養士を職業に選んだが、子どもが給食よりもファストフードを好む傾向に寂しさを感じていた。思い出に残るコロッケを作るため、今後も地元の魚を使った「すり身コロッケ」などに取り組む考えだ。
 各保育園のホームページには、給食に出されたコロッケの作り方が掲載されている。親子で調理を楽しむなど家庭に広がっていけば、コロッケによるまちおこしはさらに弾みがつくはずだ。

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