高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(80)

第7部・おいしい出会い(10)
体内浄化 食べるほど健康な体に

 体にやさしく、食べれば食べるほど健康体に近づく―。富山新聞文化センター高岡教室は七月下旬、体内の有害物質を排出するデトックス(体内浄化)を促進するコロッケ料理教室を開いた。集まった主婦からは「家で子どもに食べさせたい」「定番メニューに加えたい」などの声が聞かれ、上々の評判を博した。

体にやさしいコロッケ作りに取り組む主婦=高岡市のウイング・ウイング高岡

●小イカを丸ごと
 コロッケは小イカを丸ごと使った「いかコロッケ」で、ホリスティック健康科学研究所(金沢市)の佐藤禎花代表が考案した。足や内臓を取り除いた胴身にジャガイモや玉ネギ、豚ひき肉を詰めたものをパン粉で揚げている。「イカ飯」のコロッケ版といえる。
 コロッケには、血液をきれいにする成分を含む玉ネギのほか、肝機能の働きを良くするビタミンB1を含む豚肉などが含まれ、コレステロールの少ない白ブドウ油で揚げた。細胞内に蓄積された有害ミネラルを体内に吸収させにくくする効果があるとされる。
 金沢市の金沢ニューグランドホテルでも「体にやさしいランチメニュー」の一つに取り入れられた。佐藤代表は「家族全員の健康を考えることができる料理に仕上がった」と胸を張る。
 デトックスは「引き算の健康法」と呼ばれ、体内にたまった老廃物や水銀などの有害ミネラルを排出することで健康な体づくりを目指しており、排出法は食事や運動が一般的となっている。

●家庭料理につなぐ
 佐藤代表は「家庭生活でデトックスを実践するなら、庶民の味であるコロッケを使うのが一番いい」と、考案した理由を説明する。せっかくの健康法も、理論が先行しては意味がない。日常の家庭料理とつなぐ橋渡し役を「高岡コロッケ」に期待したのである。
 十日に予定する二回目の教室では、油揚げの中に具を詰めるコロッケが登場する。同研究所では今後、どっこきゅうりや国吉りんごなど高岡の特産品を食材に使った高岡コロッケを提案し、地産地消を進めていく考えだ。
 佐藤代表は「台所は心と体を元気にする薬局。体にやさしいコロッケを作り、家庭で食を大切にする心を育ててほしい」と力を込める。デトックスと高岡コロッケの出会いは、そんな願いを実現させる第一歩となる。

 第7部おわり。第8部は今月下旬から掲載します。

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