高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(78)

第7部・おいしい出会い(8)
ゴルフ場 ラウンド中にホテルの味

 氷見市白川のゴルフ場、氷見カントリークラブのレストランに高岡コロッケが登場した。「ラウンド中に一度ほお張ってみたい」。そんな要望が会員らから相次いだことがきっかけだ。

ゴルフ場向けに作られた「ニューオータニ特製コロッケ定食」=氷見カントリークラブ

●シロエビを具に
 レストランは高岡市のホテルニューオータニ高岡が経営する。同ホテルでは、シロエビを具に取り入れた「宝石コロッケ」を販売しており、評判を知る会員から「ホテルにあるのに、なぜ置いていないのか」との声が聞かれるようになったのである。
 ゴルフ場のレストランでは、手早く食事を済ませたいと考える利用者が多い。手の込んだ料理でなく、焼きそばやラーメン、カツ丼など庶民的なメニューが多く注文されるという。解田浩輝店長(35)は「これまでコロッケがなかったのが不思議なくらい。抵抗なくメニューに加えられた」と振り返る。
 レストランでは、「宝石コロッケ」をホテルの調理法通りに作って販売するのではなく、ゴルフ場で食べることを意識した一品として工夫を加えた。シロエビ、牛肉という二種類の具を中心にした「ニューオータニ特製コロッケ定食」として提供したのである。氷見牛や氷見うどんなど氷見の特産品を使った定食と併せ、写真入りでメニューに掲載し、PRに力を入れている。
 ひと汗かいて戻ってくる利用者に配慮し、宝石コロッケで使われる粗く挽(ひ)いたパン粉は使わず、あっさりと口当たり良く仕上げてあるのが特徴だ。レストランの窓から景色を眺めると、晴れた日には日本海と立山連峰がくっきりと見える。絶景を眺めながら、揚げたてのコロッケを食べることができるのも魅力の一つだ。

●次は氷見市のブリで
 「食が作り出すブランド力は幅広い世代を引きつける。氷見のブリと高岡コロッケを組み合わせたメニューを作りたい」。こう話す解田店長は、高岡と氷見の食を一度に味わえる一品に思いをめぐらせる。
 レストランでは、コース内の売店にもコロッケを置くことを検討している。コースで食べ歩きとはいかないが、高岡コロッケの知名度アップに一役買うことは間違いない。

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