高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(71)

第7部・おいしい出会い(1)
龍ケ崎(上) 先進地のアイデア生かせ

 「コロッケのまち」の交流が今秋から本格化する。「高岡コロッケ」が十月、茨城県龍ケ崎市の「食の祭典」に出店し、「龍ケ崎コロッケ」が来年一月の日本海高岡なべ祭りに参加することが決まったのである。

龍ケ崎市商工会の関係者と意見交換するカラーたかおかメンバー。コロッケ交流のきっかけとなった=昨年7月28日

●職員の視察が縁
 きっかけは、高岡市の若手職員でつくるグループ「カラーたかおか」が昨年七月、龍ケ崎市を視察したことだった。メンバーは同市商工会や市役所の関係者と、コロッケによるまちおこしについて意見を交わした。席上、相互交流も話題にのぼったが、その時はあくまで「いつか、できたら」程度にとどまったという。
 しかし、その後、龍ケ崎市の串田武久市長から高岡市の橘慶一郎市長に交流を打診する手紙が届いたことで事態は動く。富山新聞社などでつくる高岡コロッケ実行委員会の取り組みで、高岡コロッケの知名度が浸透したこともあって、橘市長が六月中旬、龍ケ崎市を訪れ、トップ会談が実現した。
 串田市長は、市議会開会中の忙しい時間を割いて橘市長を迎えた。二十歳以上離れた両市長だが、コロッケ談議で盛り上がり、食のイベントに互いに出店することで合意したのである。

●B級グルメが集う
 龍ケ崎市の「食の祭典in龍ケ崎」は二〇〇四年から続いているイベントで、龍ケ崎コロッケは看板商品となっている。今年は高岡市を含めて十一カ所の参加が決定し、コロッケでは、いわき市(福島県)、常総市(茨城県)、白岡町(埼玉県)が名前を連ねる。コロッケ以外では太田やきそば(群馬県)、佐野ラーメン(栃木県)、小田原おでん(神奈川県)、横須賀海軍カレー(同)など、知名度の高いB級グルメが集まる予定だ。
 龍ケ崎市商工会の経営指導員浅野忠雄さんは来年、同市が国民文化祭を控えていることから「プレ大会と位置づけ、多くの人を呼び込みたい。高岡コロッケにも大いに期待しています」と話す。来年一月の日本海高岡なべ祭りでも、龍ケ崎コロッケが新しい魅力になるはずだ。
 龍ケ崎市は七年前から、コロッケによるまちおこしに取り組んでいる。交流は先進地のアイデアを学ぶことになり、高岡コロッケにとって有意義なことだといえる。

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