高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(70)

第6部・昼も夜も(10)
スーパー 地産地消で庶民の味

●「宝石」具材に
 「富山湾の宝石」として知られるシロエビを具材に使った新しいコロッケが、食品スーパーに登場した。商品名は「シロエビクリームコロッケ」で、富山、石川県内のジャスコとマックスバリューで六月中旬から販売している。食品流通業界では地産地消が販売戦略のキーワードになっており、店側ではシロエビのブランド力に期待を寄せる。
 シロエビクリームコロッケは、富山湾で獲れたシロエビと山形県蔵王産の牛乳を使ったクリームを材料にしている。高岡市下伏間江のジャスコ高岡南店では現在、毎週百五十個程度を店頭に並べており、売れ行きも順調だ。シロエビという名前に興味をひかれて購入する買い物客が多く、ジャスコ高岡南店の西田友亮食品統括マネジャー(30)は「息の長い商品に育てたい」と意気込む。
 ジャスコ高岡南店では、これまでもチョコレートコロッケやソースコロッケなど独自の「高岡コロッケ」を販売してきた。コロッケの消費量が全国屈指の富山県では、コロッケの味が店の評判に影響することがあるため、特に力を入れている。新しく投入するコロッケには、惣菜全体の売り上げを底上げする役割も期待される。

シロエビクリームコロッケを並べる店員=高岡市下伏間江のジャスコ高岡南店

●健康志向に配慮
 ジャスコ各店で取り扱うコロッケは、でんぷん質が高い北海道産の男爵(だんしゃく)いもやライ麦入りのパン粉を使い、体内の「悪玉コレステロール」を下げるとされるオレイン酸を含んだキャノーラ油で揚げている。栄養価が高く、健康志向にも配慮しているのが特徴だ。
 ジャスコ高岡南店では、高岡コロッケの知名度の高まりを受けて四月から総菜の販売コーナーを拡充し、コロッケの専門コーナーを新設した。店内には「コロッケのうた」が流され、「わたしのおいしい友達コロッケ」などの歌詞が買い物客の気分を楽しくさせている。

●自慢できる商品に
 「地元の名物を県外の人に自慢するのは楽しい。その一つが『高岡コロッケ』であればいい」。三重県伊勢市出身で転勤族でもある西田さんの実感である。高岡コロッケを県外の知人や友人に自信を持って紹介できる商品に育てるため、一役買いたいと考えている。

 第6部おわり。第7部は今月下旬から掲載します。

第6部・掲載リストに戻る

エピソードトップへ