高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(48)

第4部・地域まるごと(8)
高速道路 SAから知名度を拡大

氷見牛コロッケと高岡コロッケをPRするのぼり旗=小矢部市の北陸自動車道小矢部川サービスエリア

●一番人気
 北陸自動車道下り線の小矢部川サービスエリア(SA)で、四月二十一日から「高岡コロッケ」の販売が始まった。「高岡コロッケ」加盟店の柿里(砺波市)が製造する氷見牛コロッケである。売店の軽食メニューの中でも、フライドポテトやフランクフルトソーセージなどを抑えて一番人気となっている。
 「これだけ売れているのは高岡コロッケのブランド力が高まってきたおかげです」。こう話すのは店長の窪田信夫さん(55)である。同店では、富山県が二〇〇〇年と〇四年にコロッケの消費量が全国一位になったことを知り、コロッケに注目してきた。〇五年からは「おやべコロッケ」と銘打った商品を販売している。
 特にPRに力を入れていたわけではなかったが、高岡コロッケの取り組みが本格化した昨年六月ごろから売り上げが急増した。以前は休日で約四十個だったが、最近では約八十個と倍増している。
 自信を深めた小矢部川SAが第二弾として販売したのが氷見牛コロッケである。店の出入り口には「高岡コロッケ」と「氷見牛コロッケ」ののぼり旗を立て、名物として売り込んでいる。
 窪田さんは「富山に用事がなく、通過するだけの人にも高岡コロッケの魅力を伝えたい。高速道路に店を構えるわれわれにしかできないことです」と意欲的だ。
 コロッケ人気の広がりを反映してか、柿里には県内各地で開催されるイベントの主催者から、氷見牛コロッケの出店依頼が相次いでいる。砺波市で開かれている「となみチューリップフェア」に出店したところ、一日平均九百個が売れる盛況ぶりで、夕方まで行列が途切れない状態が続いている。注文の多さに屋台の調理施設だけではさばき切れず、会場近くの自社レストランから運んでいるほどだ。
 佐藤幸博社長(49)は「県内外を問わず、ご当地ならではの食べ物を欲しがる方が多い。そういった要望にこたえられるのが氷見牛コロッケではないか」と分析する。

となみチューリップフェア会場で販売されている氷見牛コロッケ=砺波市内

●ご当地の味土産に
 高速道路のSAなどで各地の特産品を生かした限定グルメが人気を集めており、その土地でしか食べられない味を目当てに訪れ、土産として買い求める人が増えている。
 柿里では氷見牛コロッケを扱う店を増やすため、小矢部川SAの上り線や呉羽パーキングエリアにも取り扱いを提案している。高岡コロッケを味わえる場所を増やしていくことが、食によるまちおこしにつながっていく。

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