高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(34)

第3部・あつあつ談義(4)
高岡市商店街連盟会長、河合晋氏
「横丁」の定期開催を

 二年後の高岡開町四百年、八年後の北陸新幹線金沢開業に向けて、中心商店街に人を呼び込む仕掛けが必要です。その一つとして「コロッケ横丁」の定期開催を提案します。名物店のいくつかを一カ所に集めれば、にぎわいを生むことは間違いありません。
 コロッケ横丁が登場した一月の日本海高岡なべ祭りでは、中心商店街に二日間で約五万人が足を運んだそうです。食のイベントが人を集めるのに有効であることを、あらためて実感しました。普通の日に一割でも人が来てくれれば、以前のにぎわいを取り戻すことができるはずです。

高岡市商店街連盟会長、河合晋氏

かわい・すすむ 2001年に市商店街連盟会長に就任。御旅屋通り商店街振興組合長も務める。文房具店「亀屋万年堂」、洋品店「げんき家」を経営する。59歳。

●空き店舗を活用
 コロッケ横丁を毎週開くことは、採算面から難しいかもしれません。そこで、毎月第三日曜に御旅屋商店街で開いているフリーマーケットに合わせて、空き店舗を活用するのも一案だと思います。私も含めて、大半の商店主は何らかの形で応援してくれると思います。
 御旅屋商店街は、県西部を代表する商店街だと自負しています。昭和三十―四十年代には周辺の市町村から買い物客が集まり、若者でにぎわっていました。それが、一九九三年にサティ高岡店がオープンして状況が一変しました。当初は大型店に絶対負けたくないと強気でしたが、二〇〇二年にイオン高岡ショッピングセンターが開業してからは、すみ分けを考えるようになりました。
 私個人としては、お年寄りにやさしい商店街を目指すべきだと考え、「高齢者の原宿」として知られる東京の巣鴨通りを参考に、高齢者向けの洋品店「げんき家」を開きました。お年寄りが好む商品を並べたほか、腰を下ろしてくつろげるベンチや荷物置き場を用意し、トイレを開放したのです。開店から四年が経過しましたが、お客さんの声を聞きながら、さらに改善していきたいと思っています。

●商店街を差別化
 富山市の総曲輪通りでは、共同飲食店舗「にぎわい横丁」など拠点施設の整備による活性化に取り組んでいます。高岡市は、改正中心市街地活性化法に基づいて再生を図る考えのようですが、集客力を高めるには商店街の特長を打ち出し、差別化を図らなければなりません。御旅屋通りも、お年寄りとコロッケでブランド力を高めるべきだと思います。

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