高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(33)

第3部・あつあつ談義(3)
観光ボランティア「あいの風」代表、中井明子さん
瑞龍寺参道の活性化に

 昨年、金沢からの観光客を国宝瑞龍寺に案内した際、ホテルニューオータニ高岡でコロッケを買い求める人が何人もいたのが印象に残っています。一人で五つ買った人もいました。その時、「値段は少々高くても、ほかにはないコロッケなら県外のお客さんに売れる」と確信しました。

観光ボランティア「あいの風」代表、中井明子さん

なかい・あきこ 1991年に「あいの風」に入る。副代表を経て04年から代表。58歳。あいの風は1985年に発足し、瑞龍寺や高岡大仏など主に市中心部で活動する。

●のぼり旗でPR
 高岡コロッケ実行委員会の活動には大いに期待しています。ただ、コロッケが高岡の新しい名物に育っていくには、これからの活動が大事です。例えば、市内すべての肉屋さんに実行委ののぼり旗が立つようになれば、もっと観光客の目を引くのではないでしょうか。
 あいの風の会員の間で「高岡の名物としてコロッケを売るなら、瑞龍寺の前で定期的に店を出してくれればいいのにね」という話が出たことがあります。瑞龍寺を会場にしたイベントとしてライトアップなどがありますが、もっと人を呼び込むには、新しい仕掛けが必要です。そのために高岡コロッケも活用していくべきです。
 瑞龍寺の参道である八丁道には高岡の土産品を販売する店がありますが、そこにコロッケの店ができれば、立ち寄った人が足を止めるかもしれません。その時には、お客さんが味や食感を確かめることができるよう、試食コーナーを設けるのも面白いでしょう。きっと人気を呼ぶはずです。
 今年一月の日本海高岡なべ祭りで登場した「コロッケ横丁」は、大変なにぎわいでした。チョコレートを入れたり、里芋を使うなど、アイデア商品が関心を集めたのだと思います。屋台の前にできた長い行列を見て、中心商店街に大勢の人が来てくれたことのうれしさと、コロッケが持つ魅力に感心しました。

●活動の輪を拡大
 あいの風では、二月に市内にある他の観光ボランティアと合同で「高岡開町四百年 加賀藩前田家のルーツを探る」と題した研究発表会を開催しました。今後はボランティア同士の連携を強めていきたいと考えています。
 コロッケを上手に活用していけば、瑞龍寺や高岡大仏など名所旧跡を巡るツアーの楽しさが増すはずです。大勢の観光客に高岡に来てもらえるよう、私たちボランティアを大いに使ってほしいですね。

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