高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(28)

第2部・夢は揚げたて
人気の総菜(上) 全国の商品集まるまちに

 高岡市中心商店街の一角にある大和高岡店には、地元産に加え、県外の多彩な有名コロッケが所狭しと並んでいる。全国各地の趣向を凝らしたコロッケが「デパ地下」の総菜売り場に集まる光景は、コロッケのまち高岡の面目躍如といったところだ。
 同店は「日本海高岡なべ祭り」が開かれた一月十三、十四日、店の前の御旅屋通りに屋台を構え、地下の総菜売り場のコロッケをその場で揚げて販売した。

総菜売り場には神戸コロッケと高岡コロッケののぼり旗が並ぶ

●2日で3500個
 万葉線をはさんですぐそばの高の宮通りに出店した「コロッケ横丁」に呼応して企画したもので、二日間で約三千五百個が売れ、店側が当初、予想した二千個を大きく上回った。
 とりわけ人気を集めたのが、県外から仕入れたコロッケだった。販売開始とともに、すぐに行列ができ、三時間ほどで売り切れた。中でも全国のデパートで販売されている神戸コロッケの「元祖肉じゃがコロッケ」と伊藤ハムの「黒豚コロッケ」や「ビーフコロッケ」は早々に店頭から姿を消した。
 販売に携わった大和高岡店総菜売り場担当の島田和也さん(25)は「揚げ終わるまで三十分も待っていた人もいた。あんなに売れるとは思わなかった」と振り返る。人波で埋まったコロッケ横丁ほどではなかったが、確かな手応えを感じた瞬間だった。
 伊藤ハムのパート店員、関路子さん(56)と澤田明子さん(47)も「子どもからお年寄りまで食べやすくて親しみがあるコロッケの人気のすごさを感じた」と話す。
 同店地下の総菜売り場には、イモを食材にした総菜を販売する店「Potato Potato おいも美人」が、一昨年にオープンした。
 自前の「牛肉コロッケ」を高岡コロッケとして登録するなど、コロッケ販売にも本格的に力を入れ始めた。地元の海や山の幸をふんだんに使ったコロッケも考案中だ。
 大和高岡店営業第一部食品第一課長の金作恒夫さん(52)は「コロッケはごちそうになるし、おやつとしてもおいしい。総菜の中では、やはり一、二を争う人気商品だ」と語る。

神戸コロッケなど県外から仕入れた商品を販売している地下の総菜売り場=高岡市の大和高岡店

●高くても即日完売
 高級感を売り物にするデパートだけに、普通のコロッケよりも値段が高いものが多い。よく知られた神戸コロッケの「ビーフコロッケ」は、一個百八十九円と値が張るが、即日完売が常である。県外で食べた人が買っていくケースもあるという。
 多彩なコロッケと出合える店の存在はコロッケのまちにとって不可欠と言っていい。県外のコロッケが刺激になり高岡コロッケにさらに膨らみをもたらすに違いない。

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