高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(16)

第2部・夢は揚げたて
新名物 高まる人気に確かな手応え

 高岡市は一月十三、十四日に中心商店街を会場に開催した「日本海高岡なべ祭り」で、初めて人出の定点観測を実施した。
 祭りは今年で二十一回目になるが、これまでは前年との比較で人出を算出しており、いわば推測に近かった。観光振興に本腰を入れる中で、実態を示す数字がないのでは話にならないというわけだ。
 その初めての調査で、高岡コロッケ実行委員会が「コロッケ横丁」を出店した高の宮通りが、八カ所の調査地点の中で二番目に多い人出を記録した。
 定点観測は二日間とも午前九時半から一時間ごとに計八回行い、最も多かった御旅屋通りの人数は二日間で合計九千八百五十人に上った。

コロッケ人気で予想以上のにぎわいとなった「コロッケ横丁」=1月14日、高岡市の高の宮通り

●にぎわい際立つ
 高の宮通りは初日が二千七百三十五人、二日目が三千九百五人で、合わせて六千六百四十人。御旅屋通りには及ばなかったものの、大仏寺境内や高岡駅前を千五百人から二千人余りも引き離し、にぎわいが際立った。
 これまで高の宮通りは高岡関野神社と御旅屋通りを結ぶ”通路”の性格が強かった。「予想以上の数字で驚いた。高岡コロッケの人気の高まりを感じた」とは、調査を実施した市商業観光課の東保英則課長の弁である。
 定点観測の調査結果を基礎に同課が算出した二日間の祭りの人出は約五万人。初めての実測調査とあって前年とは比較できないものの、増加していることは間違いなく、コロッケによる町おこしの努力が実を結び始めていることをうかがわせた。

昨年8月の「金沢ゆめ街道2006」で揚げたての「高岡コロッケ」を味わう市民=金沢市香林坊2丁目

●加盟が37店に
  高岡コロッケ実行委員会が発足した昨年六月に二十七店だった加盟店は現在、三十七店に増えている。これもコロッケ人気の高まりを示す目に見える動きの一つである。
 実行委員会が進めているアンケート調査では、ほとんどの加盟店がコロッケの売り上げを伸ばしており、中には「三割程度増えた」と回答した店もある。人気が加盟店を増やし、加盟店の増加が人気を盛り上げる。そんな好循環も浮かび上がってきた。
 十日から金沢市で始まるフードピア金沢(富山・北國新聞社特別協力)では、メーン行事であるフードピアランド(同主催)が例年、人気を集めている。今年はここに初めて「高岡コロッケ」の二店が出店し、ホクホク、サクサクの高岡名物を提供する。
 高岡市内では、日本海高岡なべ祭りに限らず、各種イベントで「コロッケ横丁」が求められて出店するケースが目立ってきた。新名物「高岡コロッケ」の認知度は確実に高まっている。

  第2部では、高岡コロッケ実行委員会の加盟店や関係者の動きを追い、新名物による町おこしの熱意を紹介する。

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