高岡コロッケ物語

高岡コロッケ物語(15)

第1部・浪漫あり
たかおか発(下) まちづくりへ確かな手応え

コロッケ横丁でコロッケをほおばる子どもたち=高岡市高の宮通り
チューリップテレビの「ふるさとCM大賞」に高岡市が出品した作品の一コマ。コロッケをテーマに取り上げた

 高岡市若手職員の有志が運営するホームページ「カラーたかおか」で、コロッケチームのリーダーを務める松本範子さん(29)が昨年十一月、NHK教育テレビの番組「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑」で紹介された。
 松本さんは、商業観光課の観光戦略室に籍を置き、観光宣伝や観光客の受け入れ体制整備などの業務に携わっている。

●「マップほしい」
 番組では、正規の業務に加えて「高岡コロッケ」の取り組みも紹介されたが、翌日から「コロッケマップをほしい」という要望や問い合わせが電話やメールで同課に五十件近くも寄せられ、職員が対応に追われた。
 「次々と問い合わせがあり、仕事が手に付かなかった」。松本さん自身も驚くほどの反響だった。富山県内のほか、東京、浦安、大阪、神戸、奈良など遠方からの問い合わせもあった。松本さんは「関心を持ってもらえると、また頑張ろうという気持ちになる」と話す。
 「カラーたかおか」がきっかけとなった「高岡コロッケ」の取り組みは、実行委員会の発足でさらに弾みがついた。今後は、いかに認知度を高めていくかが、最大の課題と言っていい。

●コロ助を起用
 高岡市出身の藤子・F・不二雄さん(故人)の漫画「キテレツ大百科」に登場する「コロ助」が、この一日から正式に「高岡コロッケ」のマスコットキャラクターになった。
 コロッケが大好物という設定から、市がプロダクションに使用許可を依頼し、「助太刀するナリ」となったものだ。武士を自任するからくりロボットだけに、認知度を高めて行くには、それこそ頼もしい助っ人といったところだ。
 実は、タレントのコロッケさんの起用も話題に上った。ところが、よくよく調べてみると、出演していたショーパブの経営者とヘアースタイルなどが似ていたことから、経営者の「ロッキー」という名前にちなんで「小ロッキー」と呼ばれていたのが由来と分かり、見送られた。
 コロ助が初陣としてスタンプラリーの台紙に登場した十三、十四日の日本海高岡なべ祭りでは、コロッケ横丁の会場となった高の宮通りが、身動きが取れないほどの人波でごった返した。店の前には、コロッケを求める家族連れなどの長い列ができた。
 地元では「高の宮通りがこんなに込み合ったのは、いったい何十年ぶりやろう」という声が、あちこちで聞かれた。コロッケによるまちづくりが、年明けとともに確かな一歩を踏み出した。

第1部おわり。第2部は2月上旬から掲載します。

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