熱々の味わいに人々の笑顔がほころんだ。日本海高岡なべ祭りに合わせ、10日に高岡市中心街で始まった高岡コロッケ横丁。「日本一」のブラック、ホワイトコロッケに、新登場のイノシシコロッケなどを買い求める人が相次いだ。白い息を吐いて揚げたてを●(順の川が峡の旧字体のツクリ )張り、具だくさんの鍋に舌鼓を打つ家族連れでごった返し、北陸新幹線開業を控えた高岡のまちなかは活気づいた。
新作のイノシシコロッケは、富山県内で捕獲されたイノシシを有効活用するために開発され、肉をみそだれで煮込んで特有の臭いを抑えた。トリュフコロッケは黒トリュフをみじん切りにしてジャガイモに混ぜ込み、香りを生かした。
イノシシコロッケに団体職員武内友恵さん(29)=高岡市井口本江=は「臭みもなく、肉がごろっと入っていて食べ応えがある」と語り、トリュフコロッケを味わった農業嶋田小鉄さん(22)=同市御旅屋町=は「口の中でトリュフの味がじんわりと広がる」と笑みを浮かべた。
ブラック、ホワイトも人気を集め、高岡市五位中1年の髙井友斗君は「揚げたて、サクサクで本当においしい。また食べたい」と満足げに話した。
●県内外の鍋集結
なべ祭りではJR高岡駅前と大仏寺も会場となり、計6カ所に県内外の鍋料理が集結し、高岡龍谷高生が手掛けた鍋などが好評だった。家族4人で訪れた高岡市向野町の秋元颯太君(10)は「コロッケやカニ鍋など、いろいろ食べられて楽しい」と話し、母の晴絵さん(31)は「寒いところで一緒に鍋などを食べると家族の仲も温まる」と笑顔を見せた。
高岡商工会議所青年部によるウオークラリーなど多彩な関連イベントが行われた。高岡駅では、新幹線まちづくり推進高岡市民会議の会員が、新高岡駅の時刻表や周辺駐車場を記した紙入りのティッシュを配って開業機運を高めた。駅ビル「クルン高岡」地下街では、高岡出身の女性3人グループ「オクシーズ」が初ライブを披露し、歌やトークで中心部を盛り上げた。
●穴水町のカキも人気
高岡大和前では、石川県穴水町で始まった「能登半島穴水まいもんまつり冬の陣かきまつり」(富山・北國新聞社共催)のキャンペーンが行われた。町観光物産協会の北川博幸副会長や町職員、金沢星稜大生が、炭火こんろで焼いたカキを振る舞い、来場を呼び掛け、買い物客らが穴水の新鮮なカキに舌鼓を打った。
かきまつりは3月31日まで穴水町内の10店舗で行われ、炭火焼きやフライなどのフルコースが味わえる。